お仏壇ってなあに?

お仏壇というものは、ご本尊(そのご宗派の中でいちばん大事な仏)様がいらっしゃる場所であり、また「ご先祖」様や「新仏」様のいらっしゃる場所でもあります。お仏壇とは言い換えれば、お寺の出張所なのです。お仏壇の前に座り「ご本尊」様や「先祖」様と向き合うことによって、日々のさまざまな感謝の心や、反省の心が湧き上がってきます。いたらない自分を見つめなおす時間でもあります。また、亡くなった方々との心の対話ができる場所なのです。「人生いろいろ」の唄の文句ではないですが、嬉しいにつけ、悲しいにつけ、いつも心から手を合わせ、家族みんなで一日一度はお仏壇におまいりする習慣を身につけたいものです。

お仏壇を安置する場所は?

お仏間や床の間があればその場所に安置しますが、ない場合はできるだけ家族が集まる場所がいいとされています。それはあの世のご先祖様も常に、今生きている家族と暮らしている、という意味を持っています。
方角としては「南向き」「東向き」がいいとされています。

【本山中心説】
お仏壇の前に正座して合掌した時その方角に本山が位置する置き方

お仏壇の種類は?

1) 金仏壇
日本古来の伝統仏壇。スギ、ひのき等を用いて漆や金箔で仕上げたもの。お仏壇の内部は極楽浄土を表しているとされています。
(浄土真宗洋、全宗派用)

2) 唐木仏壇
黒檀、紫檀、サクラ等を用い、木目の美しさが特徴です。また堅固な造りで落ち着いた雰囲気があります。
(全宗派用)

3) 家具調仏壇
メープル、タモ、オーク等を用いた新タイプのお仏壇です。マンションや洋間向きで、シンプルな造りが特徴です。
(全宗派用)

4) 上置仏壇
黒檀、サクラ、タモ等を用いた場所を取らないコンパクトなお仏壇です。台(たんすやチェスト)の上に安置します。
(全宗派用)

日々の供養と作法

日々の習慣として、朝夕お仏壇に手を合わせ、ご先祖への感謝の思いを伝えましょう。

◎六種供養で心をやすらかに

宗派を問わず、基本的なご供養の方法として「六種供養」があります。毎朝身を清め、食事の前にこの供養を心がけたいものです。
一、お水をあげる。(宗派によってはお茶をあげたり、お水もお茶もあげない場合があります。)
二、ごはんを上げる。
三、お花を上げる。
四、お灯明(ロウソク)を灯す。
五、線香を上げる。抹香の場合はひと摘みを香炉に入れます。
六、合掌礼拝する。
夕方のご供養は今日一日の無事に感謝し、明日も家族を見守ってくださいとの祈りを伝えましょう。最後にお灯明を消します。

お仏壇の清掃と手入れ

お坊さんたちの戒めの一つに「一拭き、二掃き、三勤行」という言葉があります。堂内を清めることもお坊さんたちにとっては大切な修行なのです。ご家庭のお仏壇も毎日とは言いませんが、半月に一度程度はきれいにお掃除し、ほこりを払ってあげましょう。お掃除の前にはご本尊に礼拝することもお忘れなく。

・ご本尊や脇侍、位牌の掃除
ご本尊はお仏壇の中で一番大切なものです。雑巾でゴシゴシするのは禁物。羽根ぼうきか同様のはたきで軽くほこりを払ってあげましょう。

・金箔の部分
仏壇の金箔の部分は毛ばたきでほこりを払ってください。細工が凝らされた細かい部分は毛筆でなぞるようにすると簡単にほこりが落とせます。

・漆塗りの部分
漆もデリケートな部分なので柔らかい布で撫でるようにして軽く拭き取ってください。水拭きや化学雑巾の使用は控えましょう。

・仏具と香炉
仏器(仏飯器)、花立て、線香差しなどは水洗いをし、乾いた布で水分をよく拭き取ってください。洗剤や磨き粉などは汚れがひどい場合だけ使用しましょう。香炉は灰をふるいにかけて柔らかくします。その際に中に残っている線香の燃え残りなどは取り除いておきましょう。